郁子(ムベ)の花言葉は怖い?天智天皇も唸った「愛嬌」の真実

秋が深まると、野山でアケビに似た可愛らしい実を見かけることはありませんか。

常緑の葉を茂らせ、不老長寿の伝説を持つ植物、「ムベ(郁子)」。

古くから皇室にも献上されてきたこの由緒ある植物ですが、ふと検索窓に「ムベ 花言葉」と打ち込むと、サジェストに不穏なワードが並んでドキッとした経験があるかもしれません。

「ムベの花言葉は怖いの?」
「庭に植えると縁起が悪いの?」

そんな疑問や不安を抱いているあなたのために、今回はムベに秘められた物語を紐解いていきます。

実はムベ、怖いどころか、家族の幸せや健康を願うのにこれ以上ないほど素晴らしい植物なんですよ。

その愛らしい実の秘密と、天皇家をも唸らせた伝説のエピソードを、一緒に見ていきましょう。

ムベの花言葉は怖い?

結論から申し上げますと、ムベに怖い意味の花言葉は一切ありません。

むしろ、心が温かくなるような、とても素敵なメッセージが込められているんですよ。

まずは、ムベが持つ本来の花言葉をご覧ください。

  • 愛嬌(あいきょう)
  • 控えめな愛情

いかがでしょうか。

「愛嬌」に「控えめな愛情」。
まるで、いつもニコニコと家族を見守ってくれる、優しいお母さんのようなイメージが湧いてきませんか。

世の中には、美しくても背筋が凍るような花言葉を持つ植物が存在するのは事実です。

例えば、紫色の美しい花を咲かせるトリカブトには「復讐」という恐ろしい言葉がつけられていますし、赤い実が可愛らしいガマズミに至っては「無視したら私は死にます」という、とてつもなく重いメッセージを背負っています。

これらと比べれば、ムベの花言葉がいかに平和で、穏やかなものであるかがお分かりいただけるでしょう。

では、なぜ「ムベ 花言葉 怖い」なんて誤解が生まれてしまうのでしょうか。

おそらくそれは、ムベが「つる性植物」であることに起因しているのかもしれませんね。

つる植物は他の木に絡みついて成長するため、「締め付ける」「束縛する」といったネガティブな連想をされがちです。

しかし、ムベのつるは「結びつき」や「長寿」の象徴。

決して誰かを苦しめるものではなく、大切な人との縁を強く結びつける、ラッキーアイテムなんですよ。

ムベの花言葉の起源や由来

花言葉というのは、その植物の見た目や生態、そして古くから伝わる神話や伝説から生まれることが多いものです。

ムベの花言葉も、その独特な愛らしさと、奥ゆかしい咲き姿から誕生しました。

愛嬌

この言葉は、ムベの果実の姿に由来しています。

秋になると熟すその実は、アケビによく似ていますが、決定的な違いがあります。

アケビが熟すとパカンと口を開けるのに対し、ムベの実は熟しても割れることがありません。

その丸々とした愛らしいフォルムと、ほんのりと色づく赤紫色の様子が、人懐っこくニコニコしている子供のほっぺたのように見えませんか?

見ているだけで周囲を和ませ、思わず笑顔になってしまうその姿から、「愛嬌」というチャーミングな花言葉が授けられたのです。

控えめな愛情

一方、「控えめな愛情」は、春に咲く花にスポットライトを当てた言葉です。

ムベの花は4月から5月にかけて咲きますが、決して派手ではありません。

淡い黄緑色や上品な紫色の花は、厚く茂った常緑の葉の陰に隠れるようにして、ひっそりとベルのような形の花を咲かせます。

「私はここにいますよ」と主張するのではなく、大切な人を陰からそっと支えるようなその健気な姿。

季節を問わず青々とした葉で包み込み、静かに愛を育む様子が、「控えめな愛情」という言葉にぴったり重なったのでしょう。

そもそもムベってどんな植物?

ここまで花言葉について触れてきましたが、そもそもムベとはどのような植物なのでしょうか。

別名「トキワアケビ(常磐木通)」とも呼ばれる通り、冬でも葉を落とさない常緑のつる性木本です。

日本原産で、古くから私たちの生活に寄り添ってきた、非常に馴染み深い植物なんですよ。

学名 Stauntonia hexaphylla Decne.
原産地 日本(関東以南)、朝鮮半島南部、台湾、中国
形態 アケビ科ムベ属の常緑つる性木本
開花期 4月~5月

人との長い歴史と文化

ムベと日本人の関わりは、なんと奈良時代にまで遡ります。

ここに、ムベの名前の由来となった有名な伝説をご紹介しましょう。

その昔、天智天皇が滋賀県の蒲生野(がもうの)へ狩りに出かけた際、8人の男子を持つ健康な老夫婦に出会いました。

天皇が「汝ら如何にして斯く長命ぞ(どうしてそんなに長生きなのか)」と尋ねると、夫婦はこの地で採れる無病長寿の霊果を差し出したのです。

それを食した天皇は、一口食べてこう仰いました。

むべなるかな(もっともであるな)」

この「むべ」という言葉がそのまま植物の名前になり、以来、ムベは「不老長寿の実」として朝廷に献上されるようになったと伝えられています。

ただの雑草ではなく、天皇お墨付きのスーパーフードだったなんて、驚きですよね。

現在の利用法

現在でも、ムベは庭木や日除けの棚(グリーンカーテン)として人気があります。

常緑で一年中葉が落ちないことから、「落ちない」=「試験に落ちない」という験担ぎで、受験生のお守りとしても密かなブームになっているんですよ。

また、アケビとは違って実が割れないため、「家庭円満」の象徴として記念樹に選ばれることもあります。

実の中にあるゼリー状の果肉は、素朴で優しい甘さがあり、スプーンですくって食べたり、ジャムに加工したりして楽しむことができます。

お店ではなかなか売っていない「幻の果実」を味わえるのは、育てている人だけの特権かもしれませんね。

まとめ

今回は、古来より日本人に愛されてきた「ムベ」についてご紹介しました。

最後に、この記事のポイントをまとめておきましょう。

  1. 花言葉は「愛嬌」「控えめな愛情」。怖い意味は一切なし!
  2. 天智天皇が「むべなるかな」と感心した、不老長寿の伝説を持つ縁起木。
  3. 一年中葉を落とさない常緑性から、「落ちない」「家庭円満」のシンボルとしても人気。

ムベは、派手な花束の主役になるような植物ではないかもしれません。

しかし、その「控えめな愛情」と、長い歴史に裏打ちされた「生命力」は、私たちの暮らしに静かな安心感を与えてくれます。

もし、お庭のフェンスやアーチに何を植えようか迷っているなら、ムベを選んでみてはいかがでしょうか。

その愛らしい実と緑の葉が、あなたとご家族の健康を、末長く見守ってくれるはずです。

タイトルとURLをコピーしました